2007.4

G&U技術研究センター
マンホールふたでは国内初となるISO/IEC17025試験所認定を取得
マンホールふたの安全性能の総合評価をめざす


株式会社Ｇ&Ｕ技術研究センターは、機械・物理試験の金属材料試験分野において、マンホールふたでは国内初となる試験・校正機関の国際規格である ISO/IEC 17025 の試験所認定を(財)日本適合性認定協会（JAB）より取得しました。

当センターは昨年4月に開所し、これまで施設見学や研修、事業体やメーカーから委託された試験・検査を行なってきておりますが、試験機関としての公平性や独立性、顧客の秘密保持等のマネジメントシステムの適合性を第三者認定機関によって明らかにして、より客観性の高いものにするために、開所当初よりこの国際規格の認定取得をめざして参りました。

今回の認定対象項目は、JIS A5506 「下水道マンホールふた」による寸法検査および荷重試験と、JIS Ｇ5502 「球状黒鉛鋳鉄品」による引張試験（JIS Z2241 準拠）、ブリネル硬さ試験（JIS Z2243 準拠）、および黒鉛球状化率判定試験の計5項目で、これらの項目は鋳鉄製マンホールふたに関連する基本試験を網羅したものとなっています。
ちなみにJABによる ISO/IEC 17025 認定取得は全国で約170ヶ所ありますが、マンホールふたの試験における同認定はもとより、球状黒鉛鋳鉄（ダクタイル鋳鉄）品において黒鉛球状化率判定までを含めた試験を行なう試験所認定取得は我が国で初めてで、ISO/IEC 17025 の認定を保有する全国で唯一の試験機関ということになります。

ISO/IEC 17025は、民間試験所の認定制度について1970年代末に国際標準化されたものをその発祥としているもので、国や地域が異なっても認定試験所での試験結果を共有化できることとともに、規制緩和や民営化の流れの中で、広く財団法人や株式会社によって民間の試験所が数多く設立されることを前提として、公的試験所、民間試験所にかかわらず、均一の試験品質結果が得られることを目的としています。
ISO/IEC 17025は、試験所に求められる力量・技能を要求事項として明示し、これらの技術管理に関する要求事項を満たしているかどうかを認定機関が客観的に確認するものです。
この度のISO認定取得は、当センターがこうした試験の技量を持ち、当然のこととして機密保持責務を果たせる体制であることが客観的に確認され、そして、その独立性が確保されていることが国際的にも評価されたことを意味しています。

マンホールふたにつきましては、近年、多面的な安全への要求性能と、高度な技術解決対応が求められてきておりますが、様々な設置環境に使用される製品であるため、専門的かつ技術的な知見や照査・検証能力が必要となってきております。
さらに昨年3月には、日本下水道協会に設置されたマンホールふたの調達適正化検討会によって「マンホール蓋調達の今後の方向（案）」という性能規定化への提言が打ち出され、これを受けて事業体においては性能規定化の流れが加速的に進んでいるなか、新しい安全に対する事業体からの要求性能項目を客観的・総合的かつ専門的に試験・評価できる機関として、安心して当センターをご活用いただける事と考えております。
また、試験所認定における認定対象試験項目は、ISO/IEC17025試験所認定が基本的にはJISなどの公的規格のみを対象としているため、当センターとしましては、これからの総合的な安全要求性能項目に係る試験方法、例えば浮上試験、耐スリップ試験、輪荷重走行試験などを利用したマンホールふたの総合的な安全性能評価の実現に向けて、事業体の皆様方のご支援を賜りながら、これらの新しい試験方法の普及と公的規格化を経たうえで、更なる認定取得をめざして努力して参る所存です。

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