G&U技術広報誌vol.12 「インフラメンテナンスを変えるDXの波」

30 2022 vol.12 G&U Close UP Part 3管路施設におけるデータの活用事例 マンホール蓋のストマネに資する初の指針 ――マニュアル発刊の背景を教えてください。 「下水道事業が整備の時代から維持管理の時代 になり、事業体において、ストックマネジメント の観点から下水道施設の情報管理がなされるよう になってきています。しかし、下水道管きょや施設、 設備などと比べると、マンホール蓋については、 なかなか目が行き届いていないのが現状のようで す。下水道台帳システムも主として管きょの情報 管理を想定しており、マンホール蓋の情報管理項 目は、適切な設定や活用が行いづらい状況でした。 そこで、マンホール蓋の情報の収集・蓄積、活用 の方法を明示し、ストックマネジメントを行うた めの指針としてマニュアルをまとめました。マン ホール蓋も老朽化等により、さまざまな事故を引 き起こす原因となりますので、事故防止の取り組 みをしていただきたいと考えています」 リスク環境に応じた設置基準を示す ――マニュアルの特徴を教えてください。 マニュアルの主な特徴としては、次の4点を提 示したことが挙げられます。①設置箇所のリスク 環境レベル※1を区分し、リスク環境レベルに応じ て求められる性能(表1参照)、②リスク環境※2 に応じた対応方針、③設置箇所や損傷程度に応じ た修繕・改築の選定手法、④マンホール蓋のスト ックマネジメントの実施に不可欠な管理情報項目。 「マンホール蓋は設置状況によってリスクが異 なるため、リスクに応じたマンホール蓋を採用す ることが必要です。マニュアルでは、リスク環境 に応じた設置基準を示したことが大きな特徴とな っています。マンホール蓋の情報の収集・蓄積、 活用を効率的・効果的に行うためには、紙の台帳 ではなく、電子台帳を活用することが重要ですの で、この点も示しました」 マンホール蓋の設置基準の設定にあたっては、 事業体へのアンケートやヒアリングによる実態調 「 効率的なストックマネジメント実施 効 に向けた下水道用マンホール蓋の 設置基準等技術マニュアル」 -台帳情報等を活用したマンホール蓋の設置基準見直しと安全確保- マンホール蓋のストックマネジメントや、イン フラメンテナンスのDXを円滑に進める上でベ ースとなるのが、蓋に関する情報の収集・蓄積 と活用です。しかし、どのような情報を収集・ 蓄積し、どう活用すれば良いのか、これまで明 確な基準はありませんでした。こうした中、(公 財)日本下水道新技術機構(下水道機構)は令 和2年3月、設置環境ごとのリスクに応じたマ ンホール蓋の設置基準や修繕・改築手法の考え 方をまとめ、「効率的なストックマネジメント 実施に向けた下水道用マンホール蓋の設置基準 等技術マニュアル」として発刊しました。マニ ュアルの特徴や活用例、期待される効果などに ついて、永田有利雄研究第二部長に伺いました。 Interview 5 公益財団法人 日本下水道新技術機構 研究第二部長 永田 有利雄 氏

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