G&U技術広報誌vol.12 「インフラメンテナンスを変えるDXの波」

28 2022 vol.12 G&U Close UP Part 3管路施設におけるデータの活用事例 MMS技術を活用した マンホール蓋の効率的な情報収集 株式会社パスコ 下水道施設の電子台帳整備、 老朽施設の改築更新計画策定で は、調査によってあらかじめ施 設の状態を把握する必要があり ます。特にマンホール蓋に関し ては、その量も膨大で調査に時 間を要することが課題となって きました。そこで㈱パスコでは、 MMSを活用して蓋の情報収集 の効率化を図る取り組みを進め ています。 3Dデータと写真を同時収集 作業効率・安全性が向上 MMS(モービルマッピング システム)とは車両に各種機器 (センサー類)を搭載し、道路や 周辺地形、街並みの撮影・計測 を行うシステムです。道路上を 走行して周囲の3次元情報取得 と写真撮影を同時に行うことが でき、高い効率でデータ収集が 可能です。主な機材構成は、三 次元レーザー計測機とカメラで す。この2つで対 象物の形や色を捉 えます。そして測 位衛星から車両の 自己位置を把握す るGNSSアンテナ、 車体の細かな姿勢 変化と加速度を把 握するIMU(ジャ イロ・加速度計)、 ミリ単位で車両の 走行距離を測定するオドメトリ です。これらにより車両の自己 位置・姿勢・加速度の3つを把 握し、計測データに正確な位置 情報を付け加えます。撮影対象 物によって、最適な機器を追加 で搭載するケースもあります。 ユーザーには、車載カメラに よる写真データ、3次元点群デ ータ、車両の自己位置データを 提供できます。点群データは、 写真データを重ねて着色し、3 Dデータに加工しています。 「従来は、作業員が現地に向 かい、各地点で測量機を設置し 測定していました。MMSによ り現地での作業を大幅に削減で きました。交通規制やそれによ る誘導員の手配も不要になり、 通行車両との接触事故のリスク もなくなりました。再現性も非 常に高く、車両で走行できる場 所は即3次元化できる点が魅力 です」 H21年頃からMMS運用めざす 道路舗装点検や台帳作成に活用 パスコでは平成21年に「MMS プロジェクト」を立ち上げ、当 時市場に出始めたMMSの運用 を開始しました。国内における MMSの研究は、メーカーのほか、 いくつかの大学機関が進めてい ましたが、測量機器としての精 度をどれほど担保できるかが大 きな課題となっていました。パ スコは、実地での試験的な運用 を通して、開発者に対して機器 のフィードバックを続け、精度 を高めることに成功しました。 翌年には国土地理院の公共測量 審査にも合格し、本格的な活用 を開始しました。 「現在では、道路の舗装点検 や道路台帳の作成のほか、近年 話題の自動運転車両のための道 路データ収集などの用途で利用 されています。舗装点検では、 数ミリ単位のひび割れや亀裂、 凹凸などを一気にモデル化し、 可視化できるので、調査精度も 大きく高まりました」 マンホール蓋を広域的に調査 収集した情報は多目的利用可能 下水道施設の老朽化が進む中 で、各事業体では早急に施設の 更新計画を策定する必要があり ます。特に時間を要するのが既 ▲㈱ パスコ中央事業部の木村一夫副事業部長(兼)上下水道情報部長 (左)と新空間情報事業部の堀井譲副事業部長(兼)同事業推進部長

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