G&U技術広報誌vol.14

8 2025 vol.14 G&U Prologue 下水道事業とマンホール蓋における課題 同様、着実に更新率の向上を図ることが必要 です。ガイドラインの中でも下水道施設を構 成する主要な施設の一つとしてマンホール蓋 に関する老朽化対策の管理指標の例(表1)や 課題整理の例(表2)を掲載しています。 また、最近も急激な大雨によってマンホー ル蓋が飛散する事故がありましたが、気候変 動による降雨の激甚化や、都市の発展に伴う 交通量の増大など、マンホール蓋を取り巻く 社会状況も変化しており、マンホール蓋に求 められる機能、性能も変化しています。 「事業マネジメント」の考え方に基づき、下 水道事業の全体を見据えた最適な下水道シス テムを構築していく中で、新しい時代に相応 しい機能を備えたマンホール蓋への更新を一 体的に進めていくことが重要です。 下水道展で“次世代型”を見学――「データ 駆動型社会」の実現にも寄与するのでは 今夏の下水道展(2024東京)で私も次世代 型マンホール蓋(図2)を見せていただきまし た。30年を想定した長期の耐久性を備え、大 雨の時の圧力解放性能の向上はもちろん、耐 がたつき性能や耐スリップ性能、耐荷重性能 の向上、それから維持管理面では開けやすい といった蓋の開放性能の向上が図られたもの です。さらには、ライフサイクルコストの低 減や、将来の改築事業量の低減、維持管理に 係る職員の負担の軽減にも寄与するものとの こと、効果的なマネジメントの推進に期待が 第3章 事業マネジメントの実施手法 24 表 3-4 課題整理表【現状評価からの課題】(例) 現状評価からの課題(着手済施策) 項目 現状 目標 課題 優先度 実施施策 緊急度Ⅰ の管渠延 長 ○○m ○○m 老朽化が進行してお り、老朽化に起因した 道路陥没事故が発生し ていることから対策を する必要がある。 高 流下機能に与える影 響が大きく、また主 要道路に埋設されて いることから交通機 能への影響も大きい ため。 老朽化対策 (ストック マネジメン ト) 緊急度Ⅰ のマンホ ール(本 体) ○○基 ○○基 道路上に設置されてお り、劣化進行も早く、 交通障害等への影響も あることから、対策が 必要である。 高 流下機能や、交通機 能への影響が大きい ため。 老朽化対策 (ストック マネジメン ト) 緊急度Ⅰ のマンホ ール(蓋) ○○基 ○○基 道路上に設置されてお り、劣化進行が早く、 標準耐用年数も短く設 定されている。また、 機能不足の蓋が多く、 対策が必要である。 高 機能不足の蓋(平受 け構造や浮上飛散防 止機能なし)は、車 両通過でのガタツ キ・飛散や豪雨時の 蓋飛散によるリスク が大きいため。 老朽化対策 (ストック マネジメン ト) 健全度2以 下の施設 数 ○施設 ○施設 目標の施設と現状の施 設が同等であり、予定 どおりの事業量の対策 をすれば良い。 高 該当施設は水処理に 直接影響するもので あり、機能停止した 際の影響が非常に大 きいため。 老朽化対策 (ストック マネジメン ト) … 表 3-5 課題整理表【今後の取組課題】(例) 今後の取組課題(未着手施策) 項目 現状 目標 課題 優先度 主要な施策 下水汚泥 の肥料化 0% - 設備の改築予定の把握、肥料 の需要調査が未実施であるた め、基礎的な検討が必要 中 設備改築と合 せて実施 老朽化対策 (ストック マネジメン ト) 下水汚泥の 肥料化 温室効果 ガス排出 削減量 不明 - 設備の改築予定の把握、削減 量が不明確であるため、基礎 的な検討が必要 中 設備改築と合 せて実施 老朽化対策 (ストック マネジメン ト) 脱炭素化 … (表2)課題整理表【現状評価からの課題】(例) 事業マネジメントガイドライン(p.24)掲載

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