36 2025 vol.14 G&U Report 令和6年能登半島地震 最大震度7を記録した令和6年1月1日の 能登半島地震は、半島北部を中心とする上下 水道施設に甚大な被害を及ぼしました。発災 直後から現地に入り、同年4月からは七尾市 内に「能登上下水道復興支援室」を設置して 復旧支援を続ける国土技術政策総合研究所 (国総研)のお二人に、その活動内容や被害の 状況、見えた課題を伺いました。 調整と情報収集、技術的助言に奔走 ――能登半島地震を受けての対応をご紹介く ださい。 小川 国総研としては発災3日目の1月3日、 国土交通省本省の先遣隊の一員という形で現 地に入りました。それから能登上下水道復興 支援室(下図)を立ち上げた4月上旬までの 約3ヵ月間、延べ200人ほどの職員をローテ ーションで派遣したことになります。 現地では主に2つの役割があり、私や吉田 下水道研究室長(当時)は本省の併任がかか っており、石川県庁に設けられた現地対策本 部(写真1・図1)で石川県や被災市町との調 整を担当しました。もう1つが被災自治体を 走り回って情報を収集する市町支援チームで す。市町支援チームには1月中は現地での情 報収集と調整に専念してもらいましたが、2 月ごろからは被害状況調査とか、後に国交省 が設置した上下水道地震対策検討委員会での 議論につながるようなデータ収集などの仕事 が少しずつ増えていきました。 ――支援室はどんな活動をなさっていたので しょうか。 山上 当初は珠洲市や輪島市に断水が多く残 っていたので、日本水道協会の枠組みで支援 に入っていた水道事業体からの情報収集と、 下水道施設の復旧に係る技術的な助言が主で した。通水と合わせて下水道の応急復旧方策 を提案し、排水機能を確保するための工事を 行っていただいた事例もありました。多くの 家屋が全壊・半壊した地区では、いつ、どの くらいの住民が帰還されるのか見通しが立た なかった中、原状復旧として下水道を復旧す るパターン、応急的に浄化槽を仮設するパタ 能登半島地震における被害状況と 復旧に向けた取組 国土技術政策総合研究所 上下水道研究部 上下水道研究官 小川 文章氏 能登上下水道復興支援室長 山上 訓広氏 (オンライン出席) 国土技術政策総合研究所の体制 上下水道研究部 上下水道研究官 下水道エネルギー・機能復旧研究官 水道研究室 下水道研究室 下水処理研究室 能登上下水道復興支援室 ・室長 ・主任研究官 ・研究官
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