25 2025 vol.14 G&U 耐久性向上と防食 次世代型マンホール蓋の性能規定 マンホール蓋に求められる性能として、耐が たつき性能、耐荷重性能、耐スリップ性能、 蓋の開放性能など8項目が示されていますが、 その項目ごとに要求性能を抽出しました。そ のうえで、要求性能を満たす検証方法として、 初期状態と限界状態における性能、試験項目 を定めました。限界状態を15年想定から30年 想定に延ばした点を除けば、基本的な考え方 は前回のマニュアルから大きな変更はありま せん。 ただ防食性能については、もともと8項目 の中に含まれていたのですが、当時はG-4規 格に位置づけられていなかったことから、性 能規定の対象からは除外しており、今回初め て30年間の限界状態を設定して性能規定を設 けました。 延命化により改築事業費の削減に寄与 自治体職員の業務負荷軽減の効果も ——“2024年度版次世代型マンホール蓋”を 導入した場合の効果やメリットを教えてくだ さい。 まず大きいのはマンホール蓋が延命化でき る点です。腐食などの高負荷環境下でも30年 間、性能を維持することが可能になります。 しかも、最も厳しい環境下を想定しての30年 間ですから、高負荷環境の度合いに応じては、 さらに延命化できる可能性もあると考えてい ます。 また、蓋の延命化により更新サイクルを長 期化できますので、改築事業費の低減につな がります。不具合箇所が減少することで、修 繕費用も抑えられます。 さらに、“2024年度版次世代型マンホール 蓋”を採用することで、不具合箇所が減って 苦情対応の回数が減少したり、蓋の開け閉め が容易になるなどの効果も期待できるため、 自治体職員の業務負荷軽減につながるものと 考えています(p.26「導入効果」参照)。 ——マニュアルの名称に「アセットマネジメ ント」を冠した点について意識されたことは ありますか。 アセットマネジメントと言っても、その範 囲は広く、管路やマンホール本体に比べると、 どうしてもマンホール蓋は忘れがちな部分に なっていると思います。そのため今回のマニ ュアルでは、マンホール蓋もアセットマネジ メントの対象であることをあらためて強調す るとともに、自治体が作成するアセットマネ ジメントやストックマネジメントの計画にマ ンホール蓋を位置づけやすくなる期待も込め ました。 管路やマンホール本体の標準耐用年数が50 年であることを考えると、従前のマンホール 蓋の15年という更新サイクルは、どうしても 管路施設全体の維持管理・更新を進めていく うえで、タイミングの合わせ方が難しかった ところがあると思います。それが今回、蓋の 更新サイクルが30年に延びたことで、管路施 設全体の視点からも、維持管理・更新やアセ ットマネジメントの取り組みが進めやすくな るのではと期待しています。 ——デザインマンホールに代表されるように、 マンホール蓋に対する自治体のニーズは今後 さらに多様化していくことも予想されます。 今回のマニュアルはあくまでマンホール蓋 に求められる性能を規定したもので、その形 状を規定しているわけではありません。形状 に関しては、自治体それぞれのニーズに応じ て設計いただければと思っています。また、 その際は、下水道機構が令和2年7月に発刊 した「効率的なストックマネジメント実施に 向けた下水道用マンホール蓋の設置基準等に 関する技術マニュアル」も参考にしていただ けますと幸いです。 ——最後に自治体へのメッセージをお願いし ます。 今回行ったアンケート調査では、マンホー
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