G&U技術広報誌vol.14

23 2025 vol.14 G&U 耐久性向上と防食 次世代型マンホール蓋の性能規定 ちょう番の破損脱落 腐食による錠の固着 調整部コンクリートのひび割れ 腐食による浮上防止機能の動作不良 設計供用期間が経過した場合も各種性能を満 足した構造とするよう求めました。 2つ目は防食性能を規定した点です。冒頭 申し上げたとおり、平成27年の下水道法改正 で腐食のおそれのある施設の点検が義務化さ れ、これを受けて令和5年5月には日本下水 道協会が「下水道用鋳鉄製マンホール蓋 JSWAS」(通称:G-4)を改定し、新たに防食 性能を追加しました。こうした動きを踏まえ、 “2024年度版次世代型マンホール蓋”では新 たに防食性能を規定し、かつ30年の設計供用 期間が経過しても性能を維持することとしま した。なお、この防食性能は母材の材質では なく、塗装等の表面処理した状態の性能です。 想定する腐食環境のレベルはG-4に準拠し、 日本下水道事業団の「下水道コンクリート構 造物の腐食性能技術及び防食マニュアル」で 位置づけられた腐食環境分類のうちⅢ類を満 足するよう求めています(p.24「特徴」参照)。 このほか今回のマニュアルでは、30年間と いう長期の供用年数を担保する意味で、修繕 (部品交換等)により機能回復させる考え方 も初めて位置づけました。次世代型マンホー ル蓋と言っても、どうしても開閉箇所の金具 などの部分は損耗することが想定されます。 その場合は蓋や受け枠を取り替えるのではな く、損耗した金具などの部品交換などで対応 可能という考え方です。これにより自治体も 安心して次世代型マンホール蓋を使用いただ けるのではないかと考えています(写真 修 繕が必要な状態の機能部品)。 ——今回のマニュアルにおける性能規定の考 え方について解説ください。 日本下水道協会の「下水道マンホール安全 対策の手引き(案)」(平成11年3月発刊)では、 写真 修繕が必要な状態の機能部品

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