21 2025 vol.14 G&U 耐久性向上と防食 次世代型マンホール蓋の性能規定 ホールふたおよび上部壁技術マニュアル」を 発刊し、設計供用期間15年における耐がたつ き、耐荷重、耐スリップなどの各種性能を規 定しました。それから約17年が経過しました が、その間、平成27年には下水道法が改正さ れ、腐食のおそれのある施設の5年に1回の 点検が義務化されました。法改正を受け令和 5年には日本下水道協会のマンホール蓋規格 が改定され、新たに腐食性能が規定されまし た。また、近年頻発している集中豪雨などを 背景に、自治体がマンホール蓋に求めるニー ズも変わってきています。 こうした蓋に求められる性能の高度化やニ ーズの変化を受け、下水道機構では旧マニュ アルを改定し、より長期の耐久性や防食性能 を新たに盛り込む形で、“2024年度版次世代 型マンホール蓋”として蓋の性能を再定義す ることとしました。 耐用年数超のマンホール蓋は約350万基 更新が進まず、維持管理に影響も ——マンホール蓋の現状と課題はどのように 認識されていますか。 マンホール蓋の標準耐用年数は、車道に設 置されたものが15年、それ以外が30年となっ ています。標準耐用年数が50年の管きょやマ ンホール本体に比べ、更新サイクルが短い点 が蓋の特徴かと思います。更新サイクルが短 い分、本来はもっと頻繁に更新がなされるべ きなのですが、日本グラウンドマンホール工 業会調べによると、標準耐用年数を超えて更 新が必要なマンホール蓋の数は令和3年度末 時点で約350万基、全体の2割以上にのぼっ ており、十分な更新が行えているとは言いが たい状況です(図1)。 この要因としては、繰り返しになりますが、 職員数の減少や厳しい財政状況などにより、 自治体がマンホール蓋の適切な維持管理を行 えていないことが挙げられます。このためマ ンホール蓋の老朽化や腐食が進み、それに起 因するさまざまなリスクが高まっています。 がたつきなどの安全面に加え、腐食や過剰食 い込みなどによって蓋を容易に開けられない など、維持管理面で支障が出てくるおそれも あります。更新が進まないことで維持管理に 影響が出る。維持管理ができないため、状態 の把握ができず更新も進まない。まさに悪循 環です。 さらに近年は、集中豪雨や線状降水帯など 短期間で集中的に大雨が降ることにより、マ ンホールの中に過剰に内圧がかかり、蓋が飛 散する事象も増加しつつあります。こうした 図1 マンホール蓋累計設置数(日本グラウンドマンホール工業会による推計) 累計約1,600万基 1955 1957 1959 1961 1963 1965 1967 1969 1971 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017 2019 600,000 450,000 300,000 150,000 0 18,000,000 13,500,000 9,000,000 4,500,000 0 (累計:基) (単位:基) ※30年以上超過した蓋:600万基ー改築済み250万基=350万基 改築すべきマンホール蓋:約350万基
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