4 2023 vol.13 G&U ンス年報」に取りまとめ、公表しています。 平成28年度から令和2年度までの5年間は、 法定点検の1巡目にあたっており、全国の事 業主体からの報告によると、すべての団体で 1巡目の点検が完了済みです。点検を実施し た管路が3978kmで、このうち約13%にあた る532kmで異状を確認しました。同様に、マ ンホール11万6603ヵ所のうち約10%の1万 1219ヵ所でも異状が見つかっています。 令和3年度の下水道管路メンテナンス年報 によると、全国の腐食のおそれの大きい管路 延長は3257kmで、これは全国の管路延長49 万kmの0.66%にあたります。一方、マンホー ルは9万3814ヵ所です。このうち令和3年度 の1年間で実施された点検は管路が620km、 マンホールが1万9874ヵ所です。点検実施率 は前者が19%で後者が21%となっています。 5年に1回の点検ということを踏まえると、 妥当な実施率であると考えています。 点検の結果、10%の管路と7%のマンホー ルで異状が発見されました。異状が発見され た箇所は修繕等の対応を行う必要があります。 特に「緊急度Ⅰ」と判定された管渠について は、すみやかな修繕等の措置を求めています。 緊急度Ⅰの管渠を対策時期別に見ると、令和 3年度が5%、4年度が2%、5年度が93% となっています。緊急度Ⅰに判定された管渠 については、あらためて下水道管理者にすみ やかな措置をお願いしたいと思います。修繕 等の対応に加え、腐食しない材料への布設替 えや更生も有効です。 マンホール蓋も腐食のおそれあり 適切な点検と防食蓋への更新など対策を 腐食のおそれが大きい管路施設の法定点検 に関して、2点補足します。1点目はマンホ ール蓋についてです。マンホール蓋は腐食の おそれが大きい排水施設の対象に含まれてい ませんが、蓋の裏側が腐食する場合がありま す。硫化水素に起因する硫酸による腐食に加 え、結露のように水と酸素が存在するだけで も腐食が発生します。マンホール蓋について も適切に点検を行い、その結果、腐食してい るようであれば、防食蓋に置き換えるなどの 措置をお願いしたいと思います。 2点目は点検の対象範囲についてです。事 ▲S県における道路陥没箇所の縦断面図。陥没箇所は圧送管の吐出し先の上流部。自由水面を有する区間であり、腐食が起こりやすい環境であった 汚水の流れ 圧送開放部 圧送区間 圧送管吐出し先 段差部 汚水の流れ 埋設物 陥没箇所 マン ホール ■ 平成28~令和2年度(1巡目)の点検実施状況 (出典:令和2年度下水道管路メンテナンス年報(国土交通省)) 集計区分 対象数 点検実施数 点検実施率 点検実施数(累計)点検実施率(累計) マンホール(箇所) 116,603 33,825 29.0% 116,603 100.0% 管 渠( ㎞ ) 3,978 1,128 28.4% 3,978 100.0%
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