G&U技術広報誌vol.13

3 2023 vol.13 G&U 末端の圧力開放区間に位置しており、平成5 年度の施工から29年が経過、内面はモルタル ライニングされたものでした。 2件目は別の県の流域下水道で7月に発生 した陥没事故です。人的被害こそなかったも のの、圧送管末端の自然流下区間で直径約1 m、深さ約3mの陥没が発生しました。こち らの圧送管は平成9年度の布設から25年が経 過しており、内面は同様にモルタルライニン グされたものでした。 維持修繕基準で腐食箇所の点検義務化 圧送管の腐食リスクも周知 国交省では、予防保全を中心とした維持管 理や更新を実現するため、平成27年度の下水 道法改正で、新たに下水道の維持修繕基準を 創設しました。機能維持のために点検や清掃 等の必要な措置を講ずることが明記されたほ か、腐食するおそれが大きい排水施設は、5 年に1回以上の頻度で点検する義務が法定化 されています。点検義務の対象となる排水施 設は、コンクリートなどの腐食しやすい材料 でつくられた管渠やマンホールで、落差や段 差が大きい箇所や硫化水素が発生しやすい箇 所とされています。 その後、先述した令和4年度に発生した圧 送管由来の陥没事故を踏まえ、同年9月に事 務連絡「圧送管における自由水面を有する区 間での適切な施設管理について」を発出しま した。圧送管の縦断勾配により、空気弁付近 や末端側は自由水面を有する区間になります。 そのため硫化水素が発生してしまい、モルタ ルライニングのダクタイル鋳鉄管が腐食しま す。こうしたことから、圧送管における自由 水面を有する区間も腐食のおそれが大きい箇 所に該当する場合があることを、あらためて 周知しています。 法定点検1巡目はすべての団体で完了 「緊急度Ⅰ」はすみやかな対応を 腐食のおそれが大きい管路施設の点検状況 については、毎年度、「下水道管路メンテナ ▲ 供用開始から29年を経過した圧送管(ダクタイル鋳鉄管)にお いて、腐食に起因した損傷による道路陥没事故が発生した(令和 4年6月)

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