15 2023 vol.13 G&U 一般塗装の蓋に比べ、2倍以上の防食効果 ―防食蓋は一般塗装の蓋に比べ、どのくら いの防食性能があるのでしょうか。 メーカー各社が納入した防食蓋の定期モニ タリングなどの実績をもとにすると、防食蓋 は一般塗装のマンホール蓋に比べ2倍以上の 防食効果を有すると考えられます。さらに G-4では今回、参考試験として赤錆の確認と 水溶液中の鉄イオン量の測定結果が掲載され、 2倍以上の防食効果がデータとしても示され ました。また、今回の規定化ではⅢ類をター ゲットとしていますが、実地での設置実績で はそれよりも厳しいⅠ類やⅡ類の環境におい ても、一般塗装の蓋より高い防食効果が確認 されています。 G-4が防食蓋採用の後押しに ―最後に事業体や業界へのメッセージをお 聞かせください。 国家規格の「JIS A 5506」(下水道用マンホ ール蓋)では蓋の「設置要領」が示され、適材 適所の製品選定が求められています。防食蓋 も紹介されてはいますが、防食性能に関する 評価方法は示されていませんでした。今回、 G-4で防食性能が規格化されたことは、事業 体が防食蓋採用の説明責任を果たす上で、大 きな後押しになったと考えています。維持管 理時代が本格化する中、防食性能は非常に重 要です。今後は事業体をはじめ関係者の皆様 の評価をいただきながら、さらにマンホール 蓋の安全性能を高めるご提案ができるよう、 業界として技術開発・研究を進めていきたい と考えています。 ▲Ⅱ類相当箇所における設置後5年腐食状況(出典:同) 上:一般塗装、下:防食表面処理 ■マンホール蓋の設置要領の設定例 (出典:JIS A 5506 : 2018、表 C.1―マンホール蓋の設置要領の設定例(防食蓋の箇所を抜粋・引用)) 区分 種類 性能 適用箇所 特殊型 防食蓋 温泉地の水質が腐食環境又は管 路構造上の腐食環境に対して防 食被膜を施したもの。 温泉地及び管路構造上の腐食環境下(高温・腐食雰囲 気、圧送管吐出し先、ビルピットの排水先、伏越し下流 部、落差・段落のあるマンホールなど)。
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