G&U技術広報誌vol.13

Close UP Part 1 下水道用マンホール蓋規格改正「JSWAS G-4-2023」 12 2023 vol.13 G&U 今年5月に改正された日本下水道協会規格 の「下水道用鋳鉄製マンホール蓋」(JSWAS G-4-2023:以下、G-4)では、これまで統一的 な基準がなかった「マンホール蓋の防食性能」 が初めて規定化されました。改正に際しては、 事業体や業界団体によるワーキンググループ 「鉄系製品小委員会」が設置され、令和3年12 月から7回にわたり調査や審議を実施。規格 改正案のとりまとめを行っています。 同委員会で委員・幹事などを務めた(一社) 日本グラウンドマンホール工業会(以下、 JGMA)に、今回規定されたマンホール蓋の 防食性能と、その試験・評価方法をご解説い ただきました。 マンホール蓋の防食性能、業界標準化へ ―G-4改正の背景について、業界側からの 視点も交えてご説明をお願いします。 まず、平成27年に下水道法が改正され、維 持修繕基準が創設されたことが大きく関係し ています。改正により、腐食のおそれが大き い下水道施設を5年に1回点検することが義 務付けられました。事業体で点検が進む中で は管渠やマンホールの実態が明らかになり、 「マンホール蓋の腐食」にもスポットが当て られたことで、その対策を求める機運が高ま りました。 一方、防食性能を持つマンホール蓋(防食 蓋)に関しては、メーカー各社が技術開発・ 製品化を進め、ある程度実績を重ねてきまし たが、性能に関する統一的な基準はない状況 が続きました。これは事業体側からすると、 公正性という点で対外的な説明がしづらく、 防食蓋を採用する上での課題になっていたと 言えます。 日本下水道協会規格であるG-4では、マン ホール蓋の耐荷重性やがたつき防止、転落防 止、浮上・飛散防止などが性能規定されてい ますが、平成21年を最後に十数年間、改正が 行われていません。最近では「他の性能と同 じように防食性能も規定化してほしい」とい う声が事業体からも挙がるようになりました。 蓋を設計・開発している業界の立場としては、 規定化により製品をさらに進化させ、事業体 での採用を後押ししたいところですので、今 回、改正案の作成にご協力させていただきま した。 『防食技術マニュアル』に準拠 他の機能との両立を図り「Ⅲ類」に照準 ―鉄系製品小委員会の検討では、どのよう なことに留意されましたか。 【解説】G-4改正のポイント ▲JGMA技術広報委員会の広滝隆行委員長 マンホール蓋の防食性能と その試験・評価方法 一般社団法人日本グラウンドマンホール工業会

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