11 2023 vol.13 G&U おおむね0.5mm以下と、防食被覆工法での塗 布型ライニングより薄いことも考慮し、Ⅲ類 の品質規格として定められる「B種」の試験方 法を準用できると判断しました。 B種の試験は、塗装の割れやふくれ、剥が れ、赤錆などの劣化状況を目視で判定する方 法です。目視判定がしやすいように、あらか じめpH1の硫酸水溶液に30日間浸漬すること が定められています。ただ、pH1は塗装面の 劣化で赤錆が発生しても、溶かしてしまうほ ど強酸性の濃度です。そのため30日間浸漬後 に中性の硫酸ナトリウム水溶液に7日間浸漬 させることで、意図的に劣化した部分に赤錆 の発生を促し、目視による劣化状況の判定を 行うこととしています。 また、マンホール蓋の現物で試験を行うに は多量の硫酸水溶液が必要となるため、試験 では供試体(試験を行う部材)を使うこと、端 部やエッジ部の傷で試験結果に影響が出ない よう、供試体にマスキングを行うことも定め ています。 耐久性、安全性、維持管理性の向上へ 防食性能を有するマンホール蓋の採用を ――今回の規格改正に関し、事業体へ期待す ることを教えてください。 現在、全国のマンホール蓋は約1600万基あ ると言われています。一方、全国の下水道管 路施設のうち5~10%は腐食環境下にあると いう調査結果があり、潜在的な腐食環境箇所 はそれ以上、存在することも想定されます。 蓋の長寿命化や劣化による事故防止の観点か らも、安全・安心な資器材の運用を積極的に 検討いただきたいと思います。 今回、「G-4」を改正し、防食性能を新たに 規定化したわけですが、防食蓋を採用するこ とで、耐久性、安全性、維持管理の向上が期 待できます。ぜひ事業体にもご活用いただけ ればと考えています。 (図-9) 資 図2 浸漬試験方法 ▲供試体の浸漬試験方法(出典:同) (表-17) (表-18) (写1) ▲供試体の浸漬状況(出典:同) ▲供試体のサイズ、マスキング範囲(出典:同) (図-8) (図-9) 資料3 図2 浸漬試験方法 マスキング幅 5〜10㎜程度 吊り穴 (参考:70㎜以上) 50㎜以上 (参考:75㎜以上) 50㎜以上 ※マスキングは、供試体の縁部及び吊り穴部を覆うこと。 :マスキング箇所
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