18 2022 vol.12 G&U Close UP Part 2台帳システムの構築に向けて CAPDサイクル構築に維持管理情報が不可欠 「手引き」を改定し、情報蓄積のルールを設定 ――「下水道台帳管理システム標準仕様(案)・導 入の手引きVer.5」発刊の背景をご説明ください。 国土交通省(国交省)は、平成27年の下水道法 の改正により、下水道施設の維持修繕基準の創設、 ストックマネジメント実施に関するガイドライン の策定や財政支援制度の充実を図りました。当協 会でも、下水道維持管理指針の改定や下水道管路 施設ストックマネジメントの手引きの策定などに 取り組んできたところです。 近年は一層の効果的な施設管理のため、維持管 理情報等を蓄積・分析し、適切な現状評価から計 画策定や修繕・改築につなげるCAPDサイクルへ の転換が求められています。こうした流れを受け、 当協会では「下水道施設計画・設計指針と解説」(設 計指針)を改定し、国交省では「維持管理情報等 を起点としたマネジメントサイクル確立に向けた ガイドライン」の策定などが進められてきました。 CAPDサイクルの実現には維持管理情報の蓄積 が不可欠です。国交省と下水協が共同で開催した 「下水道政策研究委員会」の制度小委員会が令和 2年7月にまとめた報告書では、下水道事業の持 続性確保に向けた柱として「ストックマネジメン トの高度化」が挙げられ、具体例として管路台帳 の電子化や下水道共通プラットフォーム(共通 PF)の構築が示されました。台帳の電子化にあた っては、これまで施設情報が中心だったものを維 持管理情報まで含めて管理する方向性が示され、 そのルール作りを進める必要がありました。こう した背景から当協会では「下水道台帳管理システ 下水道管路の電子台帳化の推進と 下水道共通プラットフォームの 構築に向けた取り組み ―DX化による効率的な維持管理を推進― 公益社団法人 日本下水道協会 企画部 DX調査研究担当部長(併)情報課長※ 堂薗 洋昭 氏 下水道事業が管理運営の時代を迎える中、 (公社)日本下水道協会(下水協)は事業体 における維持管理の効率化を後押ししよう と、DXの活用に取り組んでいます。昨年9 月に発刊した「下水道台帳管理システム標 準仕様(案)・導入の手引きVer.5」の概要や、 「下水道共通プラットフォーム」の構築に 向けた取り組み状況について、下水協企画 部の堂薗洋昭DX調査研究担当部長(併)情 報課長に伺いました。 ※現 国土交通省 水管理・国土保全局 下水道部 下水道企画課 下水道事業調整官 Interview 3
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