10 2022 vol.12 G&U Close UP Part 1 DXを支えるデータとは 生産性向上を目的にICT導入を加速化 時代に即してDX定義の刷新も ――下水道におけるDXについて、これまでの国 の取り組みについてご説明ください。 平成28年の生産性革命プロジェクトの1つとし て、i-Constructionが始まりました。BIM/CIMや 品質向上という観点でICTの基準を策定し、導入 を推進していこうという省内全体における取り組 みで、下水道事業に関してはその一環として i-Gesuidoという施策を示しています。ヒト・モノ・ カネの問題に直面する中、より効率的な事業運営 が求められ、さらには再生可能エネルギーの利活 用など、下水道事業に求められる役割は多彩にな っています。これに対し、事業の質・効率性の向 上や情報の見える化を図ることを目的として、 「BIM/CIM」「ストックマネジメント」「水処理革 命」「雨水管理スマート化2.0」の4本の柱のもと、 i-Gesuidoを展開してきたところです。 どちらかといえば、これまでの取り組みは、 ICT導入により生産性を高め、人手不足などの業 界の課題を改善する動きが中心となっていました。 しかし昨今は、新型コロナウイルスの感染拡大が 世界的な問題となり、業務のリモート化、非接触 化という側面でもデジタル技術の導入が求められ ているだけではなく、データやデジタル技術を活 用し、業務そのものを変えていく必要性も生まれ たのです。 これを踏まえ、令和3年2月に省内で取りまと めた「インフラ分野のデジタルトランスフォーメ ーション(DX)」では、ICT導入による生産性向上 のほか、デジタル技術やデータを用いたデジタル 基盤の整備、これらを活用した業務プロセスや行 政組織の変革などをテーマとして加えて、インフ 国土交通省 水管理・国土保全局 下水道部 下水道事業課 事業マネジメント推進室 課長補佐※ 末益 大嗣 氏 下水道事業を取り巻く様々な課題に対し て、これまで国は生産性向上の取り組み を進めてきました。新型コロナウイルス の感染拡大を受け、DX・デジタル化の 重要性はますます高まりを見せています。 こうした情勢を踏まえ、国土交通省水管 理・国土保全局下水道部下水道事業課事 業マネジメント推進室の末益大嗣課長補 佐に下水道事業におけるDXの動向、デ ータ基盤の整備状況、事業体に対するメ ッセージなどを伺いました。 ※現 公益社団法人 日本下水道協会 技術研究部 研究官(企画部 情報課長) 下水道事業におけるDX推進 ―DXアクションプランと台帳電子化― Interview 1
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