G&U技術広報誌vol.12 「インフラメンテナンスを変えるDXの波」

35 2022 vol.12 G&U ップとする政府対策本部会議を最高意思決定機関 として、その下に専門家等から成る組織を作って いますが、その中心となるのは原則として全てコ ロナ担当大臣となっています。 担当大臣は常に総理との意思疎通や関係大臣と の連携を図り、全国の都道府県知事との対話を行 いながら、迅速に対応を検討して的確に実行する というトップマネジメントができなくては務まり ません。 地方の下水道は整備が一段落し、経営に軸足が 移りつつあります。マンホール蓋など施設の更新 事業は残っていますが、これからは誰も経験した ことのない経営時代の新しい下水道の考え方を形 づくる必要がある中で、最も求められるものはト ップマネジメントでしょう。 首長や下水道事業管理者をトップとし、各部門 のリーダーと意思疎通を図りつつ、庁内の他部署 や住民などとの協議を図り、一定の道筋をつけて 行かねばなりませんが、新型コロナ対策と違って 命に直結することは少ないものの、トップマネジ メントの下できびきびと実行していくことが求め られます。 最も重要な広報 下水道も工夫を 最後に広報に触れておきたいと思います。新型 コロナ対策の基本は、一般国民に対して理解を求 め、啓発を行い、自らの行動につなげて感染防止 対策を進めていくことであり、これは今までずっ と変わらない考え方です。 そのために最も重要なのは広報だと思います。 どのようなメッセージをどのようなメディアでど の層に伝えるべきか、そのどれが欠けてもしっか りとした広報とならず、新型コロナ対策も不十分 にならざるを得ません。 下水道も関係者の多くは市民です。それぞれの 市民が下水道のことを理解し、自らの行動につな げていくことが求められますが、残念なことに、 現在のところ、下水道の広報はうまくいっている とは言えない状況だと思います。予算の制約など もあると思いますが、マンホールカードのように 多くの関係者が共通して取り組む方法でPRが成 功する事例もありますので、様々な工夫を重ねて 下水道の広報を進めてほしいものです。 コロナ後の社会 下水道はどう貢献するか 前述の通り、日本の下水道の整備は一段落し、 国民の豊かな生活や健全な水環境の確保といった 下水道本来の目的は達成されつつあると思います。 一方で、下水道整備は終わった、下水道の仕事は 今後減少する、という誤解がまん延していること が問題ではないかと思います。マンホール蓋の分 野でも、今後は単純な更新事業しかないと考えて いる関係者の方が多く、そうした風潮が少なから ず業界の活気に影響してはいないでしょうか。 でも、下水道の仕事はコロナ後の社会でますま す重要になるはずです。下水中からコロナウイル スなどの病原菌のRNAを抽出し、新しい脅威とな る伝染病の早期アラートやモニタリングに使う研 究はやがて社会実装されるでしょう。その際に、 今のマンホール蓋の性能に加えて、オートサンプ ラーを設置するための電源機能や、採水しやすい ような大きさ、データを自動収集するための通信 機能など、新しいマンホール蓋がきっと求められ、 単純な更新事業に止まらない可能性を持っている と思います。 こうしたコロナ後の社会に下水道が貢献するた めにも、コロナ対策の今を参考としながら、コロ ナ後の日本において下水道が求められる役割が何 か、マンホール蓋が果たせる役割は何か、全体像 を定めるとともに、関係者間の意思決定を速やか にし、実行に移してほしいものです。 ▲ 下水道のPRアイテム、マン ホールカードを手にする筆者 なす・もとい 平成3年3月北海道大学大学院 修士課程修了、同年4月建設省 入省。23年7月国土交通省下水 道部流域下水道計画調整官、25 年4月同部下水道事業課町村下 水道対策官、27年5月UR都市 機構経営企画部投資管理チーム リーダー、28年7月堺市技監、 30年7月国土交通省下水道部下 水道事業課事業マネジメント推 進室長、31年4月日本下水道事 業団事業統括部長(令和2年4 月同東日本本部事業管理室長兼 務)、3年7月より現職。

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