G&U技術広報誌vol.12 「インフラメンテナンスを変えるDXの波」

26 2022 vol.12 G&U Close UP Part 3管路施設におけるデータの活用事例 健全率予測式で劣化状況をマクロに把握 各事業体の特徴を捉え、さらに精度向上も ――健全率予測式について教えてください。 膨大な管路ストックを平等に点検・調査するこ とは、労力的にも、時間的にも、費用的にも困難 です。そのため、限られた条件のもとで、効率的 かつ効果的に施設のストックマネジメントを実践 するには、リスク評価による優先順位付けを行い、 制約条件(予算、組織体制等)を勘 案し、適切な対策手法を組み合わせ て全体最適化を図り、点検・調査計 画および改築・修繕計画を策定・実 行することが合理的です。 このような観点から事業体におけ る下水道管きょのストックマネジメ ントの実施を支援するため、我々が 作成したのが全国版の下水道管きょ 健全率予測式です(図3)。 下水道管きょの健全率とは、全管 きょに対する健全な管きょの割合の ことを指し、健全率予測式はその健 全率と経過年数の関係を表したもの です。健全率を決定づける緊急度ランクは、「下 水道維持管理指針実務編2014年版」((公社)日本 下水道協会)に準拠しており、管きょの詳細な点 検・調査結果を総合的に評価判定して決定されま す。 ――活用方法について教えてください。 健全率予測式を用いることで下水道管きょの健 全率、すなわち管きょの劣化状況を経過年数から マクロに把握することが可能となり、これを活用 ▲図5: 点検・調査結果を活用した事業体独自の健全率予測式の設定イメージ ▲図4:改築需要量予測に基づく改築更新費用の平準化 健全率 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 0 30 40 50 60 70 80 90 100 20 10 劣化なし【独自式】 劣化なし【国総研】 劣化なし~緊急度Ⅲ【国総研】 劣化なし~緊急度Ⅱ【国総研】 劣化なし~緊急度Ⅲ【独自式】 経過年数(年) 劣化なし~緊急度Ⅱ【独自式】 2008 2018 2028 2038 2048 2058 2068 2078 2088 2098 2108 2118 2128 2138 2148 2158 2168 2178 2188 2198 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 西暦(年度) 西暦(年度) 累計改築必要延長(km) 改築残延長(km/ 年) 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 2008 2018 2028 2038 2048 2058 2068 2078 2088 2098 2108 2118 2128 2138 2148 2158 2168 2178 2188 2198 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000 累計改築必要延長(km) 改築残延長(km/ 年) 改築必要延長(km/ 年) 累計改築必要延長(km) 改築残延長(km/ 年) 改築必要延長(km/ 年) 既にある未改築の劣化管きょの改築 (10ヵ年で解消した場合で計算) 改築必要延長(km/ 年) 改築必要延長(km/年) 累計改築必要延長(km) 改築残延長(km/年) 既に 50 年以上経過し た未改築の管きょ延長

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