G&U技術広報誌vol.12 「インフラメンテナンスを変えるDXの波」

向上を可能にするのが「LGWANASP」です。民間企業はASP(ア プリケーションサービスプロバ イダー)として登録することで、 アプリをLGWAN経由で地方公 共団体に提供できるようになり ます。それとは逆に、特定の業 務に使用するアプリを必要とす る地方公共団体がASPにサー ビス構成を依頼することもあり ます。 LGWAN-ASPは、高い機密性 が求められるマイナンバー等の 個人情報の管理にも利用されま す。J-LISが運用する「自治体中 間サーバー・プラットフォーム」 では、住民情報の副本を保存し、 マイナンバーの情報連携として、 機関間で情報のやりとりを行い ます。これにより窓口業務等で の申請で必要だった添付資料の 省略が実現しています。また、 コンビニエンスストア等で住民 票の写しなどの証明書を発行で きるコンビニ交付にもJ-LISが 提供するLGWAN-ASPサービス を用いています。 LGWAN-ASPには、延べ約2100 もの事業者が登録されています。 ここにはサービスを提供するた めの基盤となる建物、サーバー 機器や通信機器、回線設備など を提供するASPも含まれてい ます。地方公共団体が直接利用 できるアプリやコンテンツサー ビスだけでも、その数は令和4 年3月末時点で1200に上ります。 J-LISはASPへの参入時にセキ ュリティ面をはじめ厳正な審査 を行っているので、安心してア プリを利用できます。 自治体向けのテレワークアプリ 令和2年から無償提供を開始 コロナ禍で、地方公共団体で もテレワークを推奨するケース が増えました。そこでJ-LISは (独)情報処理推進機構(IPA) と共同で、LGWANを活用した テレワークアプリ、「自治体テ レワークシステム for LGWAN」 をリリースしました。IPAは民 間企業向けテレワークシステム 「シン・テレワークシステム」 を開発し、無償で公開中です。 その開発者である登大遊氏がこ のシステムをLGWANでも使用 できるよう調整を加えました。 「LGWANは、閉域のネットワ ークであるため、外部との通信 が必要なテレワークとの相性は 良くありません。しかしこのア プリのおかげで、自宅のPCに 職場の端末の画面を転送し、安 全性を保ちながら作業できる環 境が実現しました。緊急事態宣 言など流動的に情勢が変化する 中、自治体で有償サービス導入 に踏み切れず、利用が広まった と推測しています。令和2年に 無償提供を始め、今年度までは 続ける予定ですが、それ以降に ついては検討中です」 共通PFもASPの利用を予定 安全性と利便性の両立めざす 下水道事業でのDX推進の施 策として、国土交通省と(公社) 日本下水道協会が共同で検討を 進めている「下水道共通プラッ トフォーム」もLGWAN-ASPの 活用を予定しています。 LGWANは運用開始から、地 方公共団体の行政事務の効率化 に貢献してきました。近年の DXの推進という流れの中では、 さらにその役割に期待がかかり ます。 「行政では住民とのやり取り が非常に重要です。地方公共団 体には住民の方々がDXの恩恵を 得られるアプリを取り入れてい ただければと思います。J-LISも、 近年は、地方公共団体との人事 交流を通じて、現場のニーズの 理解に努めています。LGWAN は信頼性の高いネットワークで あると自負しています。ネット ワークの安全性と利便性はトレ ードオフの関係ですが、これら を両立しつつ、引き続き新たな サービスを積極的に取り入れて いきたいと考えています」 ▼ 地方公共団体システム機構総合行政ネットワ ーク全国センターシステム部の梅原忍部長 ■ LGWAN-ASPで提供され ているサービスの例 アプリケーションおよび コンテンツサービス ・ 地方公共団体向けテレワーク アプリ ・ マイナンバー制度における情 報連携 ・証明書等のコンビニ交付 ・ 地方公共団体職員間でのチャ ットツール ・文書管理等グループウェア ・戸籍副本のバックアップ ・ 全国瞬時警報システム(Jアラ ート)

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